(第5話) 「恋」のパワーがダンス上達への早道!?

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デモンストレーション・競技会・プロ試験・・とまではいかなくても、
例えば、
・次回のパーティで「上手になったね」って誰かに言われたい!
・ワルツがちゃんと踊れるようになりたい

そんな密やかなもので、もう充分。
とにかく自分なりのわかりやすい目標を持つと、
ダンスが急速に上手くなるのは確かだ。

もちろん社交ダンスをひとつの“学習”と見るならば、
こんなに難しいものはないって言うくらい奥が深いもの。
やってもやってもキリがない。
だって、「社交」なんていうウンザリするほど大変なモノと、
「ダンス」なんていう芸術のコンビネーションでしょ!? 

「知れば知るほど、知らざるを知る」になるわね。
だからこそ、短期的な目標を持つ必要性が出てくる。
それによって「社交ダンスが上手くなる」という漠然とした長期的目標を、
少しずつでもクリアして行っている“実感”が持てるようになるのでは、
と思うのだ。

さてさて、「事件」です!
このワタシ、入部ソウソウにものすごーい“目標”をゲット。
「絶対うまくなってやる!」のこぶしを握り締め、練習につぐ練習・・
ますます“ダンス漬け”の日々・・・

え?何があったかって?
そりゃ、もちろん「恋」ですよ。
「あなたのパートナーになりたいっ!!」
ア~青春ドラマの始まりです。

実は入部後まもなく、先輩たちからこんなことを告げられたのだ。
「部内恋愛は禁止やからね。一応」
「え?そーなんですか」
「そりゃそうでしょ、カップルを決めるとき邪魔になるからね」

「カップルは実力的に見合ったもの同士を執行部の先輩の責任で決める。
付き合ってるから組ませろって言われたら、困るでしょ」

「・・・」

「関大の背番号を背負って踊るわけで、勝たなアカンねんから、
“勝てるカップル”を作らんと」

「はぁ…」

「恋愛が発覚した時点で、カップルは組ませない。組んでいても、離すから」
「わかりました…」

「でも、実力でもぎ取ることはできる。
両方がそれぞれ男で一番、女で一番上手になったら組ませてあげる」


その時点ではピンとこなかったが、しょっぱなの
「部内恋愛は禁止やからね。一応」には、ミョーにひっかかった。
まずは「禁止」という響き。
それを聞いたとたん、「あぁ、それなら私、きっとするやろうな」
なんて自動的に思っている自分にもひっかかったけど。
(このアマノジャク的習性は例の両親との対立によって培ったものだ)
※1月26日の記事(私が社交ダンスを始めた“本当の理由”Ⅲ )参照

それに「一応」って!?
「あぁ、それはね、みんな影では結構シテルッテことよ」
と、別の先輩がバラしてくれた。

ナンじゃそりゃ?

「誰と誰が付き合っているかって探ったら、結構面白いかもね」
「実はバレバレってこと」

なぁんだ、ジャ禁止ってのは?・・・と口からでかかったとき、
「でも、禁止よ! 組ませてもらえないことも本当。モー色々あるんだからぁ」

と、ぴしゃり。

ウーン、なかなか複雑で面白そうだ。
禁止というタテマエ・縛りがあるからこそ、燃え上がる恋か…。

部室の明かりが遠くに見える、電話ボックスの前でたたずむ女。
用心深く辺りを見回しながら小走りで近づいてくる男。

女
「遅かったわね…」
男「あぁ、ごめん、ルンバのステップに手間どっちゃって」
女「イヤよ、本当は。私以外の人と踊っちゃぁ…」
男「僕だってそうだよ。次の試合までがんばろう、それしかないんだ。
  認めてもらったら、次のシーズンからは一緒に組めるから」
女「わかった…。でも自信がないの」
  あなたが彼女と踊っているって想像するだけで、ワタシ…」
男「オイオイ頼むよ。僕もいっしょだからね」
  僕はいつも君と踊っているつもりでいるよ」

なぁんて、やっちゃてるんだろうな、コノォー。

でもなんかイイなぁ~。
ただダンスやったって、それがなきゃ、面白くないでしょ。
♥がなきゃ!
と、一人で盛り上がっているワタシ。

今から思えば、この恋愛ドラマへの憧れが、
「あの男」を引き寄せたに違いないと踏んでいる。

そう、
この後すぐに自らが「ワタシ、がんばる」の世界に突入していくことに・・・。


       続く 第6話へ


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