(第973話)アルデンテを目指せ!!イタリアン・ホールドⅩⅩⅩⅧ Pull&Stay

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ソレは、
初めてのロンドン留学である有名コーチャーに、

タンゴを習ったときだった。

180センチ以上もの長身の彼、
フレームもワイドで、空気のような組心地だ。
「立ち位置はココでいいのだろうか?」
そんなことを考えながら
ワタシは緊張し、彼がスタートしてくるのを、
今かイマかと待っていた。

突然、彼が叫んだ。
「GO!GO!ジューン」
(ジュンコのこと。海外ではこう呼ばれていた)

え、行けって?

女性のワタシに、

スタートを切らせようとしている
の?

で、彼はと言えば、ワタシがスタートを切り、
後退するのを待っている様子。
戸惑っていると、今度は、

Pull(引っ張れ)Pull

と言うわけ。

引っ張れって・・・コーチャー、アナタをデスか?

確かに、彼の右手のひらは、ワタシの背中にある。
で、どうも、その手のひらに向けて
カラダをどんどん後退させる
・・・
つまりは“男性を引っ張る”ことを
要求しているみたいなんだな。

果たして、ワタシが指示通り“引っ張る”と、
彼は言った。
「MORE(もっと)」

え?もっと? 
そんなに引っ張って良いの?
ワタシは言われるまま、
もっとシッカリ引っ張ってみたんだ。
お腹に力が入ってくるのが
ハッキリと感じられるほどに


すると、
「GOOD! ジューン」
彼はそう言い、
そして、やや遅れてワタシに付いてきてくれるんだ。
2ウォークを終え、3歩目を引っ張ったとき、
その引っ張る力を上手く利用して、
“リンク・アクション”へ。
バッチリ、決まった。

次に、リーダーと組んでやってみるように促され・・・
と、彼は言った。

Pull ジューン、

Stay テディ(リーダーの呼び名)」


直訳すると
「引っ張れ、ジュン。 
その場にとどまれ、テディ」

やはり、
女性にスタートを切らせようとしているようだ。
男性は、その場にとどまって、
女性に引っ張る“的”を提供しているかのよう。

最初は???だったレッスン、
しばらくしてようやく意味がわかってきた。
コーチャーの教えは、実はこういうことだったんだ。
「後退側が、前進する側より、
優先的に積極的に動きなさい」

スタートの時は女性が後退だから、
女性であるワタシに 

Pull(引っ張れ)

リーダーには、

Stay(とどまれ)という言葉を用いたんだというわけ。

さて、そのレッスンを境にワタシのダンスに対する意識が、
大きく変わったのを今でも覚えている。
「ソウか、男性をリードするくらい
踊らないとダメなんだ」
だって、男性を引っ張るなんて、
絶対に、
やってはいけないことだと思っていたんだもの。
それに、何より、
女性からスタートを仕掛けるなんて・・・
でも、確かにそうすることで
お腹は締まるし、
踊った実感もあるし、
男性にとっても良いみたい!?
して、今現在、
スタート時における
後退側 Pull(引っ張れ)
前進側 Stay(とどまれ)
プラクティスは、
自分のレッスンにもふんだんに取り入れているよ。

そして・・・
生徒サンを教え、導く過程の中で
あのときのレッスンで習ったことの、さらなる深み
おそらくは、コーチャーが伝えたかった“真意”
理解できるようになってきたんだな。


何を隠そう、ソレこそが、

床と組むということなんだ。


      続く第974話へ





Real Junko Voice
(目次)

「もう一つの学連物語」
vol.142 ~ 師匠のアソシエート合格基準 ~
 
以下は、アル先生との会話。

「ねぇ、ジュンコ先生、
アソシエート受験者の指導の勉強に
○○先生(師匠の苗字)の個人レッスン受けているんだって!?」

「あ、はい。
自分の生徒サンを受験させるの、初めてなものですから」

「○○先生、厳しいでしょ?」

「え?」

「○○先生のアソシエートの合格基準、高いから。
○○先生がもし試験官だったら、
誰も合格できないでしょうねぇ。
特に、ラテンは」

「あ、そうなんですね。
レッスン受けていて
『コレ、アソシエート試験にしては、高度な内容かな?』
とは思っていましたけど、やっぱり・・・」

「そうでしょ?
でも大丈夫よ。
実際の試験の基準は、もっともっと低いから(笑) 
だけど、○○先生に習っていたら、いいわよ。
(受験する)生徒サンにちゃんとしたこと、
教えることができるからね」


この会話がなされたのは、
教師試験まで後1ヶ月とせまった、講習の時です。
話をした相手の先生は、師匠とは古い仲。
ソノ彼女の言葉に、
あぁ、やっぱりソウだったのか。
師匠には“葛藤”があったのだな。

と思ったものです。

つまり、師匠は、
世間一般のアソシエートの合格基準に不満を持っている・・・
いや、もっと言えば、
プロ免許試験のやり方から、あり方に至るまで、
疑問を持っている。
もっと、いい方法があるのでは、と思っている。
でも今は、どうすることも、できない・・・

このことは、彼女の話を聞くまでもなく
レッスン中、ウッスラとは感じていました。

師匠は、昔からベーシックにすごくうるさい人だったモンな。
そりゃ、プロになる人は“ココまで”できないとダメ出しでしょ。
でも、アソシエート受験で“ココまで”踊れる人、
果たしているのだろうか?

ソウ思うシーンがレッスン中、たくさんあったのです。

例えば・・・



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コメント

  1. ふうじ より:
    SECRET: 1
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    先生、失礼しております。カレンダーでは、つい先日お会いしたところですが長らくお会いしていないような感じでいます。
    ここ一週間ほど訳あってブログを読んでいなかったのですが、ひさびさに読み始めたら練習会のことが書いてあったのですね。
    先生のおっしゃるとおり効果のある練習会だと思います。テンションも高くなるし。困っている時も女性の方々に助けられ、励まされなんか学園ドラマの主人公のような感じでした(表現が変かも?)。
    スローが覚えられず、自分ひとり覚えられない悔しさ、負けたくない競争心が前面に出てしまって、一人くらーい雰囲気になっちゃって、先生は「困ったやっちゃなあ!」と思われたかもしれません。気を遣わせてしまったと思います。逆の立場ならやりにくいなあ。ごめんなさい。
    でも、あの時、くやしさだけじゃなくて別の気持ちもありました。
    「ひでさんや、みきひこさん。たくさんのことを知っててうらやましいなあ・・・」ていうガキんちょみたいな気持ち。「先生に、もっともっといっぱい教わりたい。」でも、島根にいる限り、そうはできない。自分の中にいるわがままな「子ども」が大泣きしているような感じでしょうか。こんな甘ちゃんな気持ちをもったのは初めての事です。自分の中の隠れた自分を見つけてびっくりといったところです。

    でも、ひでさんにもメールしたんですが、この連休中に、足型とか「知識」を傍らに置いておいて、もう一度じっくり時間をかけて自分の体や自分のダンスの根本的な問題点についていろいろ考えてみたんです。さらなるジャンプアップを目指して。その時にヒントや答えをくれたのは、やっぱり先生のブログでした。
    離れてても、ブログで先生とつながってる。という安心感を感じられました。困ったときにいつでも戻れる港。ここには必ずなにがしかの答えがあるって思えました。ありがとうございます。
    勝手に落ち込んで、勝手に感謝。わけのわからないコメントご容赦いただき、これからもよろしくお願いします!
  2. 三郎 より:
    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんにちは。
    今日の記事は、参考になりました。というのも、私の自己流のやり方に、大変似ていたからです。紙1枚あけたコンタクトですね。ですから、相手の女性からは、いつも??でした。そんな風に指導される先生はいないようです。
    結局、それを追求すると、「吸い込む、吸い込まれる」という感覚が生まれるような動きが、ダンスの動きであると思います。
    ジュンコ先生が女性側からそういう、指導をされているので、感動しました。

    教室では、スタートの最初は、女性は床から足を経て、リードがつたわると教わりました。(上級プロのp先生から)その真意は、わかりませんが、右足での床への踏み込みを意識して、スタートしています。

    次のステップが解らない時の、リードの考え方が知りたいです。以心伝心でしょうか。
  3. ジュンコ より:
    SECRET: 0
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    三郎さん

    コメントありがとうございます。

    「そんな風に指導される先生はいないようです」
    に、少々驚きです。
    自分の中では非常にポピュラーな教えの一つだったもので。

    自己流のやり方と言うのは、時として、
    トップレベルの動きにたどり着く道なのではと思うことがあります。
    ソレは、体験・実践から生まれたものだからです。
    そういう意味では、三郎さんが日頃から感じていらっしゃる感覚を手がかりにすれば
    これからもご自分に対して、すこぶる良いレッスンができるのではないでしょうか。

    さて、 
    次のステップが解らない時の、リードの考え方について。
    いろんなパターンがあるので、一言では難しい奥深い内容と思われますが
    今、思いつくままにいくつかを・・・
    「(ナニをするかなどの)意識をシッカリもつこと」
    「直接行動ではなく、カラダの中を使うこと」
    「床を通して示すこと(無理強いしなくてすむから)」
    「反作用などできるだけ、自然な動きの中で行うこと」

    目指すは、いつもイーブン(五分五分)で踊れるように
    参考になりますでしょうか・・・

    これからもよろしくお願いいたしますね。