(第2769話)チョット中休み エッセイvol.95 ~ビデオは回っていた~

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チョット中休み エッセイvol.95 

ビデオは回っていた

~初・夏祭り・成功(2)~


それは夏祭りの翌日のこと。
ヒデ君と2人、自宅マンションで、
パーティのビデオをチェックしていた。
パーティ最後の

“追悼式”のシーンになった。

“追悼・パソドブレ・デモンストレーション” を
感動しながら鑑賞。

と、ヒデ君は言った。
「ビデオ撮影は、ここまで。
後は、録れていないはずや」

ビデオ・テープが足りなかったという。
デモの後は、
ヒデ君作・追悼ムービーの鑑賞、
そして、ヒデ君とワタシの挨拶・・という順番。
ヒデ君の“計算”では、
追悼ムービー上映中に、テープはなくなり、
その時点で録画できなくなるはずだった。
ビデオ撮りをお願いしていた方に、
「ONのままにしておいてください。
テープがなくなり次第、
自動でOFFになりますから」

と、告げたと言う。

撮影者のいなくなったビデオは、
置き撮り状態になり、
しばらくは、ある一定方向を撮影し続けていた。
が、ほどなく、OFFになったようだった。
ヒデ君が挨拶に立つ前、
ビデオの方をチラリ見ると、
緑のランプ(OFF)になっていたそうな・・・


ワタシはだめ押しをした。
「じゃぁ、ワタシらの挨拶は、
録画されていないのね?」


「うん。
Hさんの“お母さん”に、
追悼ムービーと一緒に送ろうかなと思っていたけど。
まぁ、仕方がナイ。
(ワタシの方に向き直り)
録れていないのは、残念?」


「ううん!」

写真・画像その他モロモロ苦手なワタシ的には、
少しほっとしたのだった。

ソンナコンナな会話をかわしてから、
ワタシはお風呂に入った。


で、出てくると、
ん?
ヒデ君の様子がおかしい。


「すごいモン、観た」


心なしか、顔が青ざめている!?
ひょっとして・・・と思った。

ワタシは、聞いた。
「Hさんが、映っていた・・・とか?」


「そう・・・」


「うそ!?」


「冗談。
映ってはいない。
でもな、H さん、
一緒におってくれたんやと思う」


ヒデ君、少し間を置いてから、
「ビデオ、ずーっと回っていたんや。
オレの挨拶も、ジュンコ先生の挨拶も、
ちゃんと、録れてる」


「え?なんで?
テープ、終わっていたのと違うの?」


「なんでか、わかれへんねん。
挨拶するジュンコ先生の、
ちょうど後ろから、録れてる。
(顔は映っていない)
白い服着て、長い髪を垂らしていたやろ?
オレ、観ていたら、鳥肌立ってきたんや」


ホントウだ。
自分の姿ながら、
なんだかコワくなってきた。


ヒデ君が、声をはさんだ。
「ここから、もっとヤバイで。
オレが、ジュンコ先生からマイクを受け取って、
『では、これで追悼式を終了いたします』
と、言うた途端に、
テープが終わっているんや」


映像を観た。

『では、これで追悼式を終了いたします
プッ・・・』


ゾワッ
皮膚に電気が走った。


「こんなタイミングで
切れるなんてスゴすぎるヤロ」


涙が、ダダッとあふれた。
Hさん、だ。
絶対、Hさんだ。


ヒデ君も、涙声になって、
「Hさん “お母さん”に、
オレらの挨拶のシーン、
観て欲しかったんやないかな。
イヤ、オレの“送りたい”って気持ちを
わかってくれていたのかな」

で、ビデオを回し続けてくれた!?
そして、目的を果たし終え、
スイッチを切った・・・


「Hさん、自分の追悼式、
どんな気持ちで観ていたんヤロ」
「(追悼ビデオの中の)
踊っている姿を観て、照れていたかも(笑)」

しばし、Hさんの話で盛り上がる・・・


プロローグ完
次回、追悼式の報告をいたします。


       続く第2770話へ


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