コネクションの原理
引き合う・押し合うの身体操作意識を
もう少し詳しく見ていきましょう!
ということで、
ジュンコ先生がみんなに指示したのは、
なんと
四つんばいのポーズ!?
だった。
「はい、では実際にポーズをとってもらう前に、
これからいったい何をやるのかを話しておくわね」
ジュンコ先生はそう言って白板の前に立ち、
簡単なガイコツ像を書き始めた。
ただし、頭と胴体=体幹のみで、手と足は書いていない。
そして3つの部分をオオマカに分けて、
一つひとつをマルで囲んだ。
上から、
A 頭部と背骨で首の部分に当たる頚椎(けいつい)
B 肩・肩甲骨・あばら骨と背骨で胸の部分に当たる胸椎(きょうつい)
C 骨盤と背骨で腰の部分に当たる腰椎(ようつい)
「これら3つは言うなれば、
体幹内にある大きな
骨格のユニット(単位)
ダンスに必要な身体操作っていうのは、
手・足を直接動かすことではなく、
この外側からは見えない
骨格ユニットを操ることで、なされているの。
ユニット自体を動かすのは、筋肉。
この場合も取り上げるのは、
骨に直接作用のある、インナーマッスル。
で、その筋肉を動かす元は、
反作用エネルギーだったわね」(第121話)
ジュンコ先生は、
みんなのほうに向き直り言葉を続けた。
「これからやってもらう、
四つんばいのポーズの中での運動は、
引き合う・押し合うの身体操作を
骨格ユニットの変化
として感じてもらうものなのよ。
その身体操作がやがて、
腕・手へと伝わって、ハンドコネクションになるのよ」
みんなポカンとして聞いている。
まだ、意味が飲み込めていないようだ。
「もっと言えば、
BのユニットとCのユニットを連動、
つまり手と足をつないでいく大切な
骨格ユニット連携アクション
なので、シッカリ習得してね。
最初の(診断)は、
そのまま
背骨が柔らかくなるエクササイズ
としてもおススメよ」
ジュンコ先生は、
そう言ってみんなに“ポーズ”をとるように促した。
「さぁ、ではまずはチェックから入るわよ」
エクササイズ
四つんばいのポーズ(診断)
① 四つんばいになる。足は肩幅、足は腰幅につく。
② 毛を逆立てている猫のように、背中を丸め、
高く上げてアーチの形を作る。
オナカはペッタンコに引っ込んで、
オシリの穴がしまるような感じで、骨盤がほとんど垂直に。
左右肩甲骨がウーンと開いているかどうかチェック
③ 次に、反対。腰を落とし、背中を弓なりに。肘は曲げない。
左右肩甲骨が寄ってくっつくかチェック
「頭は特に操作はしないでね。
ココでのポイントは肩甲骨の動きよ。
③で無理に寄せようとはせず、
自然なままでどれくらい
寄せ合ったり離れたりできるかをチェックしてね。
もし、この操作で肩甲骨の動きが悪いときは、
肩甲骨と肋骨をつなぐ関節、
肩甲胸部関節(けんこうきょうぶかんせつ)
※直接骨同士が接しているわけではないが
肋骨の上にカポンと乗っている肩甲骨がスベリ動く部分
の作用がスムーズではなく、
BとCの操作がうまく連携できていないと思われるわ」
「この診断はこのままで
エクササイズにもなるからやってみて欲しいの。
②のとき、息を吐いて
③のとき、息を吸って
をしながら、ある程度肩甲骨が離れたり、
寄ったりできるように目指してね。
でもね実は・・・ココからが重要よ」
ジュンコ先生はそう言って、
みんなのほうに向き直った。
「カラダがもともと柔らかい人で、
肩甲骨は動きやすい人がいるんだけど、
そんな人は、
例えば、相手と引き合うコネクションをしたときも
“肩甲骨を寄せること”はできるの。
でもカラダからのリードにはなっていない・・・。
まぁ、肩甲骨から動いているんだから、
小手先のリードとはいえないんだけれども、
ナニかカラダから“はずれた”感じがする。
悲しいかな、コレだと手だけのリードになっちゃうのよね。
エネルギーは感じないし、
下手したら、手足がバラバラになっちゃう!
さぁ、そうならないためにも、
次、ある程度、肩甲骨周りがほぐれた時点で
このポーズに身体操作意識を加えていくわね」
四つんばいのポーズ(身体操作意識を加える)
診断の③で腰を落とし弓なりになるとき、
左右肩甲骨をいきなり寄せるのではなく、
左右の肩甲骨を
ナナメに引き下げる感じにして
結果、
肩甲骨が寄り合うようにする
しかもこのとき、
カラダの中はクロス方向に働く
つまり、肩甲骨が下がる方向は、
相対する側の恥骨方向
(恥骨はカラダの中心にひとつしかないがその右側・左側という意識)
簡単に言えば、
右肩甲骨は骨盤奥の左側へ、
左肩甲骨は骨盤奥の右側へつながっていく感じ。
肩甲骨を寄せるという運動は、
ダンスのテクニックの中でとても使うものなんだけれども、
ただ単に寄せ合うのでは、
つぶれたカエルのようなアップアップ状態になっちゃうわ。
肩甲骨を寄せるとは、
お互いナナメに降りて来た肩甲骨がいわば“衝突”した状態なの。
ソコから骨盤奥と連携して、
動くからこそ、手と足が連動することができるのよ」
「先生、肩甲骨が簡単に寄ってこなくなっちゃいました」
と、紀子さんが声を出した。
紀子さんはみんなの中でもカラダが柔らくて有名だったが・・・
「ソレでいいのよ。
次に、肩甲骨を開いていく運動も加えて交互に、
ユックリ、呼吸を付けてやってみて。
チョットイメージをつかむまでは大変かもしれないけれど、
この身体操作は肩甲骨と骨盤を動かす基礎にもなる
からやってみて欲しいの」
「では、立ち上がってね。
今の感覚を持ったまま、
二人組みになってやってみるわよ。
・・・って何をやるかはわかるわね。
ソウ、オープン・ヒップ・トゥイストの3歩のコネクション。
四つんばいポーズの身体操作からコネクションが生まれる
・・・ソレを実践してみましょう」
続く 第153話へ
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コメント
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ちばっちです。
今月頭のデビュー戦は、何とか入賞する事が出来ました。
今は、来月の競技会に向けて練習してます。
ところで、最近の悩みは
『スポットターンの時にパートナーとの位置がおかしくなる』事と
『ボディトーンが緩んでしまう』事です。
スポットターンの時に、前後にずれたり、
横が開きすぎたりして
『ここ!』と言う所になかなか決まらないです。
あと、ボディトーンに関しては意識が少しでも緩むと
途端にトーンがなくなってしまってだらしなく見えてしまいます。
この前の練習ではルンバの
『オープンヒップツイスト~ファン』だけで
かなりの時間を費やしてしまいました。
どう解決して行ったらいいんでしょうか?
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ちばっちさん
こんにちは。
入賞おめでとうございます。
良かったですね!
さてお悩みの件、まず「スポットターン」ですね。
自分のどこができていないか、自覚をするためにも、
超スローでスポットターンをやってみてはいかがでしょうか?
カラダの中のつながりが切れてしまっている箇所が見つかるはずです。
そして、二人でも同じように、超スローアクションでやってみてください。
回転量のズレなどが発覚できるはずですが、いかがでしょう。
次「ボディトーン」は一方通行で生まれるものではなく、カラダの中の二律背反関係や、インナーマッスル軍の連動で生まれるものです。
無理にボディトーンを作ろうとするあまり、カラダ全体でのダンスができていないのかも知れませんね。
リキミとトーンは似ていますが、まったく違います。
トーンはダンスそのものから1回1回生み出されるもの。
カラダから湧き出る「感情・気迫・情熱」といったものと思われます。
そして、トーンが先にあるのではなく、「感情・気迫・情熱」というエネルギーが、先なのです。
アイデアといたしましては「カラダの中からもっと踊る」ことをされてみてはいかがでしょう?
また、精神的な不安(ステップやリードなど)がそのままになっていても、ボディトーンはなくなってしまいます。
そして何よりナチュラルなボディトーンを作ってくれる源は「音楽」でしょうね。
音楽を良く味わって楽しくレッツダンス! 秘訣はコレかもしれませんよ。
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ジュンコ様
こんにちは。
堀本秀生と申します。ブログを拝見させて頂きました。身体操作に関心がある人にとり、宝の山ですね。
私は錐体外路系の運動を行っている者です。動きを滑らかにする補助として整体操法を習いました。
肩甲骨の可動性は目と関係をしております。さらに加齢で、骨盤の弾力性の幅が小さくなり、目は見えづらくなります。
恥骨は感覚と体の全体が変化するポイントです。
整体操法は民間療法の寄せ集めなので、一つ一つの関連を体系的に説明できませんでした。しかし、肩甲骨と恥骨の関係には、驚きました。
よくわかりました。ありがとうございました。
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堀本秀生さん
コメントありがとうございます。
「錐体外路系の運動?」「整体操法?」
マダマダ知らない世界がたくさんあるようで、
大変興味があります。
カラダの新しいつながりを発見するたび、
「なぜそうなるのか?」
の解決に役立ち、うれしくなります。
人体は素晴らしく、また、不思議です。
これからもどうぞよろしくお願いしますね。
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ジュンコ様
堀本秀生です。丁寧なご返事ありがとうございます。
「錐体外路系」とは生理学の用語です。意識によらない体の運動のことを指します。脳幹や背骨からの動きのことになります。大正時代に野口晴哉少年が発見し、止め方がわかって「活元運動」と名づけ、現在に至っています。
「整体操法」とは体操ではなく体の中から変化を誘導する技のことです。型が整体操法制定委員会によって制定されたのは、戦争末期です。敗戦後、民間治療の運動が法律により禁止され、今は「活元運動」の発現を誘導したり、動きを滑らかにするための補助手段として使われています。
活元運動は胴体の運動です。人間の立ち姿は前後、上下、左右、捻じれ、開閉の動きがあります。誘導するには正坐で鳩尾を弛めます。弛めるには指で鳩尾を押さえ、息を吐きながら、胴体をこごめます。欠伸、涙、ゲップなどが出ますと、今度は胸椎10番を目安に胸を左から左右に7回捻ります。そして、親指を中に入れて、軽くて手を握り、腕を鎖骨を目安に上げ、胸を前方に移動することで左右の肩甲骨を閉じます。この動作は息を吐きながらやります。3回までです。
そうしますと、からだの中にあります背骨が前後にしなったり、左右に伸びたり縮む動き、捻りなどの動きが起こってきます。この背骨の動きを活かすように正坐、立ち姿、仰向けなどで胴体を操作することで、「錐体外路系」の訓練をします。そのさいには西洋の音楽がかかります。それはリズムが単調だからです。なを病気は意識によらない体の運動として接しております。
活元運動は「欠伸」で始まり、「脊髄行気」(せきずいぎょうぎ)で終わります。「脊髄行気」とは、背骨で呼吸をすることです。
二人以上で行う「活元運動」を「相互運動」と名付けています。
ここまで紹介しますと、身体操作がよく似ているでしょう。活元運動の型は正坐ですが、四ッ這とおなじことです。鳩尾を弛める、回旋、手の操作、呼吸、音楽、などなど。いっぱい共通点があるように感じます。
これからもよろしくお願いします。
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堀本秀生さん
大変詳しい説明をいただき、感動です。
想像していた以上に、興味深い内容です。
意識によらないカラダの運動・カラダの中の変化の誘導するワザ・・
みんな、ダンスの世界に活かせそうです。
「活元運動は胴体の運動」
と言うのも、興味深いです。
何度も読み返しております・・・
勉強させていただきます。
ありがとうございます。